
寄与分について
2018-02-23
遺産相続における寄与分とは、被相続人の生前に、その財産の維持や増加に影響するような貢献
をした相続人がいる場合、他の相続人との間の不公平を是正するために設けられた制度です。
現行法上、寄与分は、相続人にのみ認められています。
そこで、例えば、相続人の妻が、被相続人(夫の父)の療養看護に努めた場合であっても、遺産
分割手続において、相続人でない妻が寄与分を主張したり、あるいは何らかの財産の分配を請求
したりすることは難しいと考えられています。
相続人の妻が被相続人の療養看護に努めたにも関わらず、被相続人の死亡時には相続人となるべき
夫が既に死亡している場合です。この場合、配偶者の貢献を相続人の寄与分の算定の際に考慮する
こともできず、配偶者が遺産分割において自己の貢献に見合った財産の分配を受けることはできません。
民法の改正案でこの療養看護を行った者についての寄与分が権利として認められる案が出ています。
どうなっていくのか、注目していきたいです。